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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(オ)248号 判決 1954年12月21日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告代理人藤原一嘉の上告理由(後記)について。

所論一前段の主張である被上告人が残代金支払を昭和二三年八月一日まで猶予したということを前提とする論旨及び二後段の主張である本件不動産のうち家屋一棟は訴外人に所有権移転登記が完了しているから、その抹消登記手続を命ずる原判決は上告人に対し不能を命ずることとなり違法であるという論旨は、原審においてなんら主張せずまた原判決も判断をしなかつた事項であるから、適法な上告理由に当らない。また所論一後段の主張については、債務者が遅滞に陥つたときは、債権者が期間を定めずに催告をした場合でも、その催告から相当の期間を経過すれば解除できると解すべきことは、すでに大審院判例の趣旨とするところであり(大審院大正一五年(オ)第八八二号昭和二年二月二日判決、民集六巻一三三頁参照)今なおこの解釈を改めるの要を認めない。

その他の論旨は「最高裁判所における民事上告事件の審判の特例に関する法律」(昭和二五年五月四日法律一三八号)一号乃至三号のいずれにも該当せず、又同法にいわゆる「法令の解釈に関する重要な主張を含む」ものと認められない。(なお原判決は、被上告人が期限後に履行の催告をしたことを前提として判示のような判断をしていることは明らかである。)

よつて、民訴三九六条、三八四条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 井上登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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